黒いて速いヤツ

正直、この仕事をやれと言われたとき、あまりいい予感がしなかった。

暗く、じめじめした流しの下。水道管から漏れている水。腐食した布。



・・・・・・・気味が悪い



こんな仕事はさっさと終わりにして、家に帰りたかった。


躊躇していても仕方ないので、とりあえず整理を開始する。



汚い



どうすればこんなに汚れるのだろうか?

まだ、ここの店は開店して3〜4年くらいのはず。しかし・・・

どうみても築20年です。本当にあり(略


とりあえず、私は使い物にならなそうな物から捨てていくことにした。


真っ黒になった布を引張った時だった。

私の目の前を、何 か が 横 切 っ た

気が付かなければ幸せだったのかもしれない。

だが、不幸にも私は気が付いてしまった。

暗く、じめじめした空間、適度な温度・・・間違いない

ヤツだ

こんな空間にいる生物など、ヤツ以外に考えられない。

咄嗟にヤツが逃げていった箱の中を覗く。


!!?


あぁ、見なければ良かった・・・


触らぬ神に崇りなし


やばい、かなりやばい、非常にやばい。



団体さんだ



今まで使っていた掃除用具の箱は、実はヤツらの住処だったのである。


もうだめだ、トラウマだ。もう掃除用具入れ触りたくない・・・

生でヤツを見たのは10年ぶりくらいですよ

速いし、飛ぶし、打たれ強いし・・・正真正銘のムシキングですよ。



さっさと寝て、今日という日を忘れよう・・・

ちなみにヤツの正体は→ コチラ